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古谷 一幸; 若井 栄一; 宮本 賢治*; 秋場 真人; 杉本 昌義
Journal of Nuclear Materials, 367-370(1), p.494 - 499, 2007/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)本研究は、F82H鋼による増殖ブランケット構造体部分モックアップのHIP接合部の微細組織観察,元素分析、及び中性子照射後の機械特性に関するものである。非照射段階において、HIP接合部のTEM観察及びTEM-EDX分析などを行った結果、HIP境界には母相の結晶粒界と同等のMCが多数認められた。JMTRにて約523Kで約2dpaまでの中性子照射の後、295Kと523Kにて引張り試験を行った結果、照射後引張り特性はIEA材と比較しやや低下したものの、破断部の金相観察の結果、HIP境界での破断は生じていないことを明らかにした。
杉山 智之; 永瀬 文久; 更田 豊志
Proceedings of 2005 Water Reactor Fuel Performance Meeting (CD-ROM), p.912 - 932, 2005/10
反応度事故条件下では膨張する燃料ペレットとの機械的相互作用により高燃焼度燃料被覆管が破損し得る。被覆管の破損限界を評価するため、ジルカロイ被覆管の機械特性を適切に測定するためのリング引張試験の改良を行った。その結果、試験片の摩擦や曲げモーメントに起因する不要因子を最小限にする試験手法及び試験片形状を開発した。その手法を非照射ジルカロイ4被覆管に適用し、機械特性の水素吸収量及び温度に対する依存性を評価した。水素濃度700ppm以上においては、300から473Kまでの温度範囲において明確な延性の増大が見られた。一方、500ppm以下の場合は300から573Kの温度範囲において延性の温度依存性が比較的小さいことを明らかにした。
井川 直樹; 田口 富嗣; 野澤 貴史*; Snead, L. L.*; 檜木 達也*; McLaughlin, J. C.*; 加藤 雄大*; 實川 資朗; 香山 晃*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 66(2-4), p.551 - 554, 2005/02
被引用回数:47 パーセンタイル:82.48(Chemistry, Multidisciplinary)SiCは高温機械特性や中性子照射下での低放射化特性等に優れているが、低い靱性や脆性破壊挙動が問題である。SiC繊維で強化したSiC複合材料は、SiCの持つこれらの欠点を大きく改善させたものであり、核融合炉の第一壁等を始めとした構造材料として期待されている。近年、従来よりも高温安定性や耐酸化性に優れた高結晶性SiC繊維が開発され、一層の機械特性等の向上が期待されている。本報では、これら新繊維を用い、機械特性の向上を目標として、低放射化特性に最も優れた手法である化学気相浸透法を用いた複合材料作製の最適化を行った。作製時の原料ガスやキャリアガスの流量等を変化させることにより、従来よりも複合材料の緻密化,均質化が達成できた。また、複合材料中のSiC繊維割合を増加させることにより気孔が減少することがわかった。SiC繊維-母相間の界面材として、カーボン層あるいはC/SiC多層を採用し、界面材の厚みに対する引張機械特性評価を行った。50300nmの界面材厚さ範囲では、引張機械特性の厚み依存性が極めて小さく、この結果、界面材の薄膜化が可能であり、耐照射性の向上が期待できること、また、界面材厚みに対する設計誤差の許容範囲が拡大することを見いだした。
宇田川 昂*; 池田 重利*; 八木 敏明
放射線と産業, (103), p.54 - 58, 2004/09
典型的な放射線分解型の高分子材料として知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE,テフロンの名で知られているフッ素樹脂)について、原料粉末の段階で1kGyを照射し、その後、溶融圧縮成形して得られる成型品は未照射品に比べ、破断伸びが約1.6倍、引き裂き強度が2倍、耐折性は50倍向上することが明らかとなった。また、PTFE延伸多孔質体を低線量照射することにより、多孔質膜の孔経を任意にコントロールできる技術を見いだした。
秦野 歳久; 黒田 敏公*; Barabash, V.*; 榎枝 幹男
Journal of Nuclear Materials, 307-311(2), p.1537 - 1541, 2002/12
被引用回数:4 パーセンタイル:29.25(Materials Science, Multidisciplinary)ITER第一壁においてベリリウムとアルミナ分散強化銅の冶金的に接合した構造体が必要である。そこで熱伝導がよく、高い接合強度が得られる高温等方加圧接合法を適用することにした。しかし、直接接合すると熱膨張率の差及び接合面での脆い金属間化合物の生成により十分な性能を有する接合体が得られない問題があった。これらの問題を解決するために、応力緩和及び反応抑止を目的として第3金属を中間層として挿入する方法を考案した。中間層材質,中間層成膜方法,HIP条件等をパラメータに機械試験と金相観察により評価することによって、これらを最適化し良好な性能を発揮する二種類の接合方法を選定した。選定した条件は中間層にアルミ/チタン/銅、接合温度555と中間層に蒸着した銅、接合温度620である。さらにそれら接合体の熱負荷試験により性能を比較し、熱機械特性について考察した。
北野 剛司*; 更田 豊志; 笹島 栄夫; 上塚 寛
JAERI-Research 2001-011, 34 Pages, 2001/03
円周方向荷重が作用する条件での被覆管の機械特性を適切に評価できるリング引張試験方法を確立するために、本研究では、有限要素法による試験片の弾塑性解析とゲージ部寸法形状を変化させた数種類の試験片を用いたリング引張試験を行い、引張方法及び試験片寸法形状について検討し、以下の結論を得た。二分割型のリング引張試験治具を用いる場合、試験片変形部(ゲージ部)を片方の治具(ハーフマンドレル)の頂部にセットし、かつ、ハーフマンドレルと試験片間の摩擦をテフロンテープにより低減することで、円周方向荷重に対する機械特性を正確に評価できる。PWR1717タイプ被覆管の円周方向単軸応力下の機械特性を適切に評価できるリング試験片の寸法形状は平行部長さ3~4mm,平行部幅2mm,リング幅5mm以上である。
秦野 歳久; 鈴木 哲; 横山 堅二; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男
Journal of Nuclear Materials, 283-287(1), p.685 - 688, 2000/12
被引用回数:20 パーセンタイル:76.46(Materials Science, Multidisciplinary)核融合原型炉におけるブランケット/第一壁構造材として低誘導放射化フェライト鋼F-82Hが提案されている。原型炉ブランケットの開発の一環として、既に製作したF-82H第一壁パネルを用いて高熱負荷試験を実施しその製作性と熱・機械特性を評価した。試験は熱負荷2.7MW/mで繰り返し5000回まで試験した。試験の結果からHIP接合面に割れや剥離はなく、健全性を示した。また試験中パネルの温度応答は解析とよく一致しており、有意な結果を得た。パネルの熱構造解析より、熱負荷表面に最大0.46%の機械ひずみが発生した。それは材料試験データと比較すると長寿命であることを確認した。
石塚 悦男; 河村 弘
Fusion Engineering and Design, 41, p.195 - 200, 1998/00
被引用回数:2 パーセンタイル:24.49(Nuclear Science & Technology)ベリリウムは、核融合炉の中性子増倍材及び第一壁として期待されており、ブランケットの設計データを取得するためのベリリウム照射研究がJMTRにおいて行われている。ベリリウムの中性子照射研究は、当初JMTRの一次冷却水のトリチウム濃度上昇の原因を調べる目的で行われてきたが、その経験は核融合炉材料としての研究として引き継がれ、現在では球状ベリリウムの製造、照射挙動評価及び再処理技術等の研究を行っている。球状ベリリウムの製造技術としては、回転電極法を開発し球状ベリリウムの製造が可能となった。照射挙動評価としては、ベリリウム特性試験設備を用いてトリチウム放出特性、熱及び機械的特性についての評価を行っている。再処理技術については、ハロゲンガスを用いた乾式法がベリリウム再処理に適しているとの見通しを得た。
宇田川 昂
非破壊検査, 45(4), p.270 - 275, 1996/00
繊維強化プラスチックの概念と、これを構造材料として放射線にさらされる環境、例えば宇宙や核融合炉で用いた場合の材料特性の変化について解説した。本解説では特に、放射線照射後の機械特性に変化が現れない、言わば潜在性放射線劣化として掲げられるいくつかの現象について、超音波顕微鏡で観察したマイクロクラックなどを例に挙げて、そこに潜む劣化の実際を述べた。
瀬口 忠男; 八木 敏明; 三井 久安*; 熊澤 良二*; 塩野 武男*; 牛木 雅隆*; 中村 宏*; 小野 真一*; 村瀬 知丘*
DEI-94-92, 0, p.37 - 45, 1994/12
熱可塑性ポリイミド(TPI)ケーブルについて、高温(250C)処理、放射線照射(線、電子線)及び高温線照射を行い、電気特性及び機械特性の変化を調べた。TPI同軸ケーブルは窒素中、250Cの熱劣化、空気中、10MGyの線照射及びヘリウム中(室温)、100MGyの電子線照射に対し、機械特性の低下が少なく、優れた耐放射線性を示す。窒素中、250Cの線照射では、5MGyまで電気特性は変化しないが、機械特性は線量とともに低下する。高温同時照射では著しく架橋が進行することがDSC測定により明らかになった。
川俣 貴*; 永井 正幸*; 森田 洋右; 八木 敏明; 瀬口 忠男
電気学会誘電・絶縁材料研究会資料; DEI-94-91, 0, p.29 - 36, 1994/12
芳香族系高分子であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の非晶性(PEEK-a)と結晶性(PEEK-c)及び5種類のポリイミド(KAPTON、UPILEX-R、UPILEX-S、REGULUS-R、REGULUS-P)フィルムについて、ヘリウムガス中で電子線照射を行い、機械特性と電気特性より耐放射線性を評価した。体積固有抵抗は300MGy照射で低下が1桁以下と優れた耐放射線性を示した。また、破断伸びの低下線量(伸びが初期値の半分になる線量)より求めた耐放射線性は7種類とも50MGy以上であることがわかった。
八木 敏明; 瀬口 忠男; 奥田 智昭*; 金光谷 和彦*; 橘 忠男*
DEI-91-126, p.45 - 53, 1991/12
原子炉の重要な機器の一つである電線・ケーブルの寿命を出来る限り、短時間の試験で推定する試験法を開発するために、電線に広く使用されている高分子材料の放射線と熱の加速試験を行った。EPR、ハイパロンについて、基準の使用環境(1Gy/h,50C)での劣化速度の50倍~1000倍の加速劣化(同時劣化および逐次劣化)を行った。劣化の度合は機械特性の変化より調べた。EPR、ハイパロンとも加速倍率50倍~1000倍の範囲における破断伸びの低下速度は加速倍率にほぼ比例して増大し、その劣化挙動は各加速倍率においてよく似ている。また、50倍~1000倍加速試験より求めた寿命の精度はEPRで3年、ハイパロンで1年であった。EPRは逐次劣化の加速試験で求めた寿命が同時劣化試験より若干大きい傾向を示すが、ハイパロンは両方の試験でよく一致することが分かった。
宇田川 昂; 貴家 恒男; 瀬口 忠男
DEI-91-134, p.41 - 47, 1991/12
核融合炉用超電導磁石の絶縁材料として期待されるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の機械特性に対する放射線の影響について、超音波顕微鏡(SAM)による非破壊観察をもとに考察した。本報告は比較的低い温度で硬化可能であり、かつ硬化物は耐熱性と耐放射線性が期待できる常温で液状の4官能エポキシ(テトラグリシジルm-キシレンジアミン)を母材とした硬化剤の異なる2種のGFRPについて調べた。三点曲げ試験による機械特性は、いずれも吸収線量30MGyを越えると低下し、77Kの曲げ強度はさらに低い線量から急激に低下した。無水メチルナジック酸で硬化したGFRPは繊維フィラメントの束と母材層との境界で剥離し、液状ジアミノジフェニルメタンで硬化したGFRPは積層樹脂間で剥離していることがSAM観察から明らかにされた。これらの欠陥は機械特性低下を招く直接的な原因になると解釈した。
貴家 恒男
Polymer, 32(9), p.1539 - 1544, 1991/00
被引用回数:16 パーセンタイル:62.85(Polymer Science)UPILEX-BOARD(PI-I)、LARC-TPI(PI-II)、LARC-TPI1500(PI-III)、new-TPI(PI-IV)の4種類の全芳香族ポリイミドについて、電子線照射による機械的特性、分子運動性および結晶化挙動の変化を検討した。結果は次のようにまとめられる。(1)これらのポリイミドは100MGy以上の耐放射線性を有する。(2)PI-IおよびPI-IIは架橋構造を有しているが、PI-IIIは完全な熱可塑性ポリイミドである。(3)PI-I、PI-II、PI-IIIでは照射によりガラス転移温の上昇、ゴム平坦領域の剛性率の上昇が起こる。(4)照射によりPI-IVの結晶化が阻害される。これらの結果から、実験に使用したポリイミドは耐放射線性が高く、非酸化系の照射では、架橋するポリマーであることが明らかとなった。
宇田川 昂; 貴家 恒男; 瀬口 忠男; 野島 敏幸*; 川上 和夫*; 大塚 正人*; 津久井 哲太郎*; 山本 泰*; 園田 克己*; 富田 晴彦*
JAERI-M 89-203, 20 Pages, 1989/12
室温で電子線照射したガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の機械特性試験を行ない、耐放射線性を評価した。試験に供したGFRPは成形加工性が良く、かつ室温で耐放射線性に優れているエポキシ系マトリックスを用いて試作した。耐放射線性の最も良好なGFRPは、ジアミノジフェニルメタンで硬化したテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンをマトリックスとした材料であり、90MGy照射したGFRPの77Kでの曲げ強度は1000MPa、123Kでの層間せん断強度は約70MPaを示し、未照射時のそれぞれの強度を保持していた。また、照射後の4Kにおける曲げ強度は、77Kで測定した値と同じ値を示すことが確認された。GFRPの耐放射線性に対するシランカップリング剤の種類と濃度の影響は、曲げ強度に効果を与えないが、劣化挙動は異なることが認められた。また、疲労試験では放射線劣化がより顕著に認められた。
貴家 恒男; 萩原 幸; 小田島 敏浩*; 坂井 英男*; 中倉 敏行*; 升谷 正宏*
JAERI-M 87-048, 29 Pages, 1987/03
熱可塑性のポリアリルエ-テルスルフォン(PES),ポリアリルエ-テル・エ-テル・ケトン(PEEK)をマトリックスとした炭素繊維複合材料を調整し、その電子線照射効果を検討した。PES複合材料は3MGy以上の照射で層間剥離を起こすようになり劣化した。PEEK複合材料は180MGyの照射後も機械特性の劣化が少なく、繊維破断で破壊し、優れた耐放射線を示した。あらかじめ炭素繊維をPESで表面処理したのち複合化したPEEK-PES複合材料はPEEK複合材料より耐放射線性が劣るが、90MGy照射後も初期強度の85%を保持していた。120MGy以上の照射では繊維破断に加えて層間剥離も起こるようになった。PEEK-PES複合材料の動的粘弾性測定から、繊維表面のPESの劣化により繊維~マトリックス界面が損傷を起こし、複合材料を劣化させる事が明かとなった。
宇田川 昂; 貴家 恒男; 萩原 幸; 瀬口 忠男
EIM-86-133, p.43 - 52, 1986/00
宇宙航空用構造材料として広く用途開発が進められている4官能エポキシをマトリックスとする炭素繊維強化複合材料(CFRP)の耐放射線性と照射後のアニーリング特性を検討した。このCFRPは室温で100MGyを超える耐放射線性を有しているが、照射したのちに熱履歴を受けると急激に曲げ強度が低下することを見い出した。さらに、この現象は、すでに潜在するマトリックスの放射線劣化がその二次転移点より低い温度の熱履歴を受けて顕在化することによって起るものであることを、動的粘弾性測定と曲げ破壊面の電子顕微鏡観察の結果から、そのメカニズムに考察を加えた。
齊藤 徹; 尾関 秀将; 諏訪 友音; 名原 啓博; 河野 勝己; 高橋 良和; 礒野 高明; 布谷 嘉彦
no journal, ,
ITER CSコイルの運転において、電磁力により導体を長手方向に引張歪み(導体周歪み)が発生することで熱収縮による圧縮歪みを緩和し、を上昇させることが知られている。ITER運転条件下での評価は、これまで直状導体のみで、CSコイル導体については実施されていなかった。本報ではITER運転条件下でのCS導体表面の周歪みに着目し、通電時におけるCSインサートコイル用導体の機械特性の結果について評価した。
廣岡 瞬; 加藤 正人; 赤司 雅俊; 森本 恭一; 松本 卓
no journal, ,
超音波法によって室温におけるMOXペレット中の音速を測定した。既報の(UPu)Oの空隙率(0.0543-0.1439)及びO/M(1.963-2.000)をパラメータとしたデータに加えて、新たにPu含有率(0-1)をパラメータとしたデータを取得することで、これらすべてのパラメータを含む評価式を導出した。音速のデータから、ヤング率等の機械特性を評価することができる。デバイモデルを用いることで、音速と格子定数からデバイ温度を、デバイ温度から定積比熱を評価することができる。また、音速、格子定数、定積比熱及び熱膨張率からグリュナイゼン係数及び比熱の熱膨張項を評価することができる。また、グリュナイゼン係数が温度によらず一定と仮定することで、ヤング率の温度依存性が導出される。(UPu)Oにおいて評価した結果、ヤング率は高温で低下し、文献と同様の傾向が得られた。
高橋 克仁*; 野末 満夫*; 三浦 祐典*; 坂本 寛*; 木村 明彦*; 鵜飼 重治*; 山下 真一郎
no journal, ,
事故耐性の高い改良ステンレス鋼燃料被覆管の研究開発の一環として、プロトタイプ燃料の設計に用いる基礎的データ取得のため、機械特性に及ぼす中性子照射の影響を評価している。FeCrAl-ODS鋼に対して損傷量2.6, 3.9, 7.8および13dpaを目標とした中性子照射試験を実施しており、このうち、2.6dpaまで照射した試験片の機械特性を評価した。